リメイク作品、というのは過去人気だったタイトルなどが現代のフォーマットに合わせて発売される事で、遊びやすくなるというメリットがあります。
実際に人気があった、有名だったタイトルも、ハードの変化やPC環境の更新によって遊べなくなってしまう事がある、というのが困りもの。
今回はそんな過去人気を博したタイトルがめでたくリメイクされた「Ib」についての情報をまとめていきたいと思います。
Ibとは?作品を解説!
出典:https://store.steampowered.com/
皆様は、インディーズゲームを遊んだ事はあるでしょうか?最近ではそれこそインディーズの垣根を超えてパッケージとして販売される作品なども出てきています。
そんなインディーズともまた少し違う文化として、フリーゲーム、と呼ばれる無料で遊べる個人制作の作品というのも存在します。
フリーゲームの中には独特の魅力を持っている物もあり、根強い人気を誇るタイトルが存在したりするというのもまた面白いですね。
例えば「青鬼」といった有名なタイトルも元はフリーゲームですが、実写映画などのメディア展開がなされコンテンツとしては大きな物となっています。
そんなフリーゲームの中でもやはり大きな人気を誇り、先日リメイク作品が発売されたのが「Ib」という作品ですね。
今回はこの「Ib」のリメイクについての内容をまとめた記事となりますが、まずは原作であるフリーゲーム版「Ib」を解説していきたいと思います。
「Ib」は製作者の「kouri氏」が個人サイトにて、2012年2月に公開したRPGツクール2000製のフリーゲームです。
両親と共に美術館へとやってきた少女「イヴ」が、異変の起きた美術館に閉じ込められ、そこからの脱出を図る、というストーリー。
ゲームジャンルとしては「探索型アドベンチャー」で、マップを探索しながら様々な謎解きなどをクリアして攻略していく、というタイプのゲームです。
ジャンルとしては「ホラー」に該当し、ゲームとしての難易度自体は高くない物の洗練されたホラー演出や豊富なサブイベントなどで人気を博しました。
単純に驚かせるホラー演出ばかりではなく、美術館が舞台という背景もあって、独特な世界観もまた人気の理由の一つとなっています。
アップデートで新要素などが追加されたりもしており、ストーリー上でも複数のルート・エンディングなどが用意されているのも特徴。
フリーゲームとは思えないほど細かい所まで作り込まれており、公開直後から人気を博したというのもうなずける内容です。
以前からこの「Ib」がリメイクされる、という話が2021年10月頃に発表され、そして先日2022年4月11日にSteamから配信が開始されました。
2022年でこの「Ib」も10周年を迎える、という事でファンとしては嬉しい発表であった、というのは間違いないのではないかと思います。
今回はこの「Ib」リメイク版についてもじっくり解説していきますので、遊んだ事がない、という人も興味を持っていただければ幸いです。
リメイクでの違いや変更点は?
出典:https://store.steampowered.com/
さてさて、原作となる「Ib」についての紹介などが終わった所で、今度はリメイク版「Ib」についての情報などをまとめていきたいと思います。
原作とは違う部分や、追加された要素などもあるようなので、その辺りについてもネタバレにならない範囲で紹介していきます。
まず、追加要素というか原作のフリーゲーム版とSteamで配信されたリメイク版の違い、その大きな違いとしてはやはりリメイク版は「有料」であるという所でしょう。
まぁ昨今の流れとしてインディーズでも有料販売であるというのは普通の事ですし、リメイク版Ibもそれに習うのは当然といえば当然。
とはいえ価格は1,300円と安価で、インディーズゲームの価格帯として見てもそれほど高い部類にはなっていないのも手を出しやすいポイントと言えるでしょう。
その他のポイントとしては、以下のような違いが存在します。
■画面解像度の向上
Ibの原作は2012年、上でも書きましたが10年以上前に公開された作品ゆえ、今見てみると解像度は流石に小さく感じる部分も多いですね。
Steam版ではこの解像度が大きく向上し、画面自体も見やすく変更されている、というのは地味に大きなポイントだと思います。
■グラフィックをほぼ全て一新
原作においても魅力的なグラフィックが特徴でもあったIbですが、リメイクに当たってマップやキャラクターといった部分も含めグラフィックが一新。
高解像度化に合わせて書き直されていますが、しっかりと原作の魅力は残したままよりキレイなグラフィックになった、という感じ。
原作を遊んでいた人はその辺りの違いをじっくりと眺めながらプレイしてみるのもアリ、というような変更だと思います。
■ズームモードの追加
ゲーム内のグラフィックなどをズームして、より細かくチェックできるようになりました、謎解きの際に注目したい部分などをチェックする事も可能。
それ以外にも、この作品は美術館を舞台にしている、という設定上美術品などを細かく見る事が可能になったのも大きな利点ですね。
■会話システムの追加
同行しているキャラクターと会話をする、というシステムが新たに追加、元々細かいイベントなどが多かった作品ですがより世界観に没入する事が可能に。
会話の内容はキャラクター同士の雑談は勿論、謎解きのヒントを貰ったり、あるいは謎解きの後のリアクションを見たりという感じ。
元々魅力的なキャラクターが人気の要素でもあった作品なので、この辺りはよりキャラクターの魅力の掘り下げに一役買っていそうですね。
■謎解きの調整・変更
元々Ibのコンセプトが「ゲームの苦手な人でも遊べる」という物だったそうですが、リメイクに当たって謎解きの内容なども一部調整。
より美術館が舞台、という部分を活かしつつより遊びやすく調整したとの事で、原作からは大きく変わったギミックなども存在するようです。
と、このような感じで変更されたポイントは結構多いイメージですね、とはいえ「リメイク」を謳っている以上は予測の範疇内ではありますが。
リメイクされた事で原作とは全くの別物、になってしまう作品も少なくないですが「Ib」に関しては原作者が自ら手がけているだけありその辺りの心配はなさそうです。
この他にもBGMの変更などもあるようですし、原作をプレイした人はその違いをじっくり楽しんで見るのもアリ、未プレイの人は新鮮な気持ちで遊ぶのが良さそうですね。
上で紹介した通り価格もお手頃価格ですし、ホラー要素があまりにも苦手、という人以外にはしっかりオススメできる内容になっているのではないかと思います。
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原作からの追加要素はある?
出典:https://store.steampowered.com/
さてさて、上で変更された要素などについては色々と解説しましたが、元々ある作品のリメイクといえば気になるポイントが一つ。
それはいわゆる「追加要素」という点ですね、今回の「Ib」にはそのような要素があるのかどうかについても解説していきます。
まぁとはいっても上で紹介したポイントでも、原作にはなかった「会話システム」や「ズーム機能」の追加といった追加要素は一部紹介していますが。
とはいえ皆様が気になるのはいわゆる「新キャラクター」や「新ストーリー」といった物が追加されているかどうか、という点でしょう。
その辺りに関しては、大きくストーリー部分が変わる、といったような追加要素はどうやら存在しないようですね。
原作「Ib」では様々な条件でストーリーが分岐し、最終的に用意されているED数は7種類、となっていましたが、リメイク版でもその数は変わっていないようです。
分岐条件などはある程度調整されたりといった事はあるようですが、この事から原作にはなかったED、のような物は追加されていないと見ても良いでしょう。
あくまでリメイクではある物の、どちらかといえば分かりづらかった物を調整したり、というのが主なようですので、追加要素はそれほど多くなさそう。
一応、美術品のコレクション要素などで追加された部分はありますので、原作をプレイした人でもやはり楽しめるようにはなっていると思います。
ただ、今回のリメイク制作のきっかけは「原作版」が新しいPC環境などでは動作しなくなった、という声が大きいとの事。
実際制作に使われているRPGツクール2000もとっくにサポートは終了していますし、こればかりは現状では仕方のない部分でもあります。
PCゲームはこういった部分で問題が発生する事が多く、個人制作のタイトルでは特に顕著、というのも事実ではあると思います。
今回のリメイク版はこういった声に答えて最新のフォーマットで遊べる、という所が大きなポイントだと思うので、追加要素の有無に関してはそれほど重要ではなさそうです。
現在でも一応原作版の「Ib」はkouri氏の個人サイトにて公開中ではありますが、PC環境的に動作は保証外となっている人も多いでしょう。
原作の雰囲気を壊さず遊べるようになったリメイク版の存在は、それだけでもかなり有り難いのではないか、というのが筆者の正直な感想ですね。
上でも書きましたが、ホラー描写がともかく苦手、という人以外にはオススメできる作品だと思うので、このリメイクの機会に遊んで見るのが良いと思います。
原作版「Ib」を遊べる環境である、という人はそちらを遊んでからリメイク版をプレイするのもオススメではあると思います。
とはいえ上記の通り、原作版は既に遊べない環境になっている人もいると思うので、その辺りは余り気にする必要はないのではないかと思います。
Ibリメイクまとめ
- フリーゲームの名作が10周年記念リメイク!
- 高解像度化やプレイをより快適に!変更箇所は多数!
- 新エンディングなどはナシ?原作未プレイでも勿論安心!
こういったフリーゲームからも名作は生まれる、というのはまぁ今更ではありますが、原作者自らリメイクというのはやはりファンとしては嬉しい物。
話題となった当時に遊んでいた人は勿論、興味を新しく持った人も、プレイしてみればその人気の理由を知る事が出来るのではないでしょうか。